文房具店へ行ったって、あるのは黒と赤のボールペンだけだろうと僕は思う、たぶん。
僕が言ったのは、サインベンと消しゴムだけのことだ。
原宿はアパレルの町である。
女子中学生に迎合するように迎合するように万事が成り立っているのである。
そして、原宿が女子中学生に迎合するように、女子高校生に迎合する街、女子大生に迎合する街、若いーに迎合する街と、東京は若い女の子に迎合する街を各種取り揃えている。
街全体が自分のために存在しているというような高揚感と陶酔とを味わうことができるのは、昔の王侯貴族と、ヒットラー、ムッソリーニ、スターリンといった独裁W者と、日本に生まれた、まだ若いうちの女の子ぐらいのものだ。
それだけではない。
東京の街に住めば、この広い都会のたいていのところには電車を一、二回乗換れば、車にも他人の世話にもならずに行くことができる。
それに加えて、若い女の子が大都市にひとりで住むことの危険性まで考えに入れたら、東京と世界中のほかの大都市との格差はもう、比べること自体が野暮だというくらい東京のほうが有利だ。
次ページの表をご覧いただきたい。
一目瞭然で、別になんのコメントも必要としない表だが、東京二三区のような大都市中の大都市も含めて、日本けたの都市の犯罪発生率はだいたいアメリカ都市より一桁小さい。
デトロイトのように都心部の荒廃が本格的に進んでいるところと比べると、じつに四分の一という低水準だ。
それにしても、「初学者」に都市工学を教えるはずの先生たちという人種は、いったい想像力とか理論的思考能力とかいったものを、ほんの少しでも持ち合わせているのだろうか。
この表に高見沢実がつけたコメントは、「都市とは、安全な場所ではないのが一般的です。
ギャングやマフィアが活躍し、窃盗や殺人が多く発生するのが都市なのですたまたま日本の都市がこれまで比較的安全だったにすぎません」(『初学者のための都市工学入門』高見沢実著、二年、鹿島出版会、一五一ページ)という、背筋が寒くなるような知的能力の欠如を示すものだった。
だいたい、統計的に意味のある数字の桁がひとつ違っていたら、偶然ということはありえない。
そこで「なぜか?」という聞いを発するのが、学者たる者の仕事だ。
こんなに大きな差を偶然ですませられるものなら、世の中に社会科学なんでものはいっさい必要なくなってしまう。
それでは、ぽくなりになぜ日本の都市では犯罪発生率が低いのかを考えてみよう。
結論から言えば、アメリカ車と道路にもとづく文明固なのに、日本は電車と鉄道にもとづく文明圏だからだということだ。
車は人を分散させる交通機関だ。
電車は人を集中させる交通機関だ。
世の中に存在するありとあらゆる犯罪の中で、人で混み合った場所の方がやりやすいのは、スリと痴漢ぐらいのものだ。
テロは別に混み合った場所のほうがやりやすいわけではないが、宣一伝効果を狙って混み合った場所でやりたがる。
そのほかの犯罪はみな、混み合ったところよりは誰も見ていないところのほうがやりやすい。
車に依存した文明圏というのは、人の移動は各人ばらばらで、だれかがだれかを襲ったりしても見ている人がいないという状況をあちこちに作ってしまった。
一方、人を集中させる電車交通への依存度が高い日本の大都市では、移動するたびに「もし犯罪に遭ったら目撃者がいてくれるだろうか?」なんて心配をする必要がほとんどない。
だから、日本の都市の犯罪発生率がアメリカり一桁ψないのは、決して偶然じゃない。
この利点があるからこそ、日本では若い女の子が比較的気楽にひとり住まいをすることもできる。
そして、家を持つのとは異なり、賃貸生活なら家賃を払える限りで住めばいいのである。
「毎月それだけの金をローンで払えば、最後には立派な家が手元に残る。
家賃を払ってしまえば、右から左に消えてしまう」という考えかたは、たしかにある。
しかし、「最後に立派な家が手元に残る」ために払う犠牲のほうを、じっくり考えていただきたい。
家を持ったら最後、その家を起点にして行動半径が制約されるということだ。
まず、全国展開をしている大企業の従業員や公務員なら、転勤の時に単身赴任をしなければならない可能性が確実に高まる。
大企業勤めのサラリーマンのあいだに定説となっているジンクスとして、「家を持つと待ってましたとばかりに、遠くの支店や出張所に飛ばされる」というものがある。
なかには、「ウチの人事部は社員の忠誠度を試すために、わざと家を持ったばかりの社員を狙い撃ちにして遠くの任地への転勤辞令を出す」と真剣に信じている人もいるくらいだ。
最近は、悲しいことに、これに加えて「首を切りたい社員を自己都合での依願退職に追い込むために、へんぴな任地への転勤辞令を出す」という話も増えている。
いい条件で転職の機会があったとしても家から遠すぎるのであきらめるとか、逆に会社のリストラや倒産で転職せざるをえない時に、家から通える範囲に次の就職先を制限しなければならないとか、労働力市場が不安定な時代に自分の行動の自由を制限するような生きかたは、とてつもなく高いコストを目に見えないかたちで払っているのだ。
貸家から持ち家に移るには、買うなり建てるなりするのに必要な頭金さえできればいつでもKだ。
ところが、現在のように住宅地の地価が慢性的に下落している状態で家を買ってしまってから、途中で「ローン負担がきっすぎるから、また賃貸に戻ろう」というような心境になったとし実際には、買った家をローンの途中で売り払って貸家に住み替えるのは、おそろしく難しい。
残債の方が、家を売って得る金額よりはるかに大きいことが多いからだ。
すると、売却代金では返しきれない無担保債務というやつがついて回ることになる。
ふつうの勤労世帯では、貸家暮らしに戻って家賃も払いながら、無担保債務分のローン返済も続けるというのは、不可能に近いだろう。
貸家に払う家賃は、「行動の自由」を確保するための保険料込みなのだ。
だから、多少割高感があるのは当たり前だと考えるべきじゃないだろうか。
そして、この「行動の自由」には、じつにいろいろな要素が含まれている。
いちばん分かりゃすいところでは、もう説明したように、家を持ってしまうと、引っ越しも転職も思いのままにはならなくなるということがある。
二番目に、とくに最近のように地価下落が慢性化してしまった局面では、持ち家は、買い替えや建て替えは一生に一度ぐらいしかできないと考えて選ばなければならない。
そうすると、どうしても自分の予算で安全に取得できる範囲で、ぎりぎり一杯の家を持つということになる。
それから先の家計にも余裕がなくなるし、精一杯背伸びをして選んだ家だから、それから先のもっと住みやすい家にする工夫も、ちまちまとした改築改修ぐらいが関の山ということになる。
それに比べると、貸家なら二、三年だけ超豪華な家に住んでみることもできるし、「とうてい一生こんなボロ家と付き合う気にはなれない」というような家でも、場所がいいから短い期間だけなら住んでみょうかといった冒険もでかきる。
もうひとつ、忘れてはいけないことがある。
横浜 ホテルで悩んでいませんか?欲しい横浜 ホテルが欲しい所に来た感じです。
幅広い分野の横浜 ホテルが帰ってきました。横浜 ホテルの世界へあなたをお招き致します。
さらに身近になった横浜 ホテルで差がつきます。トップクラスの横浜 ホテルです。